「働かない」という選択肢があった時代

バブル絶頂期の日本。
街には派手な広告、煌びやかなネオン、羽振りのいい男たちと、ブランドバッグを持った女性たちが溢れていた。
けれど、その時代の光の裏には、「働かない」という選択肢を選んだ人たちが確かに存在した。
社会のレールから外れた男たち。
働かない。稼がない。でも、生きている。
彼らの生き方を描いた作品が、**『迷走王ボーダー』**だ。
『迷走王ボーダー』とは

『迷走王ボーダー』は、原作・狩撫麻礼、作画・たなか亜希夫による伝説的な作品だ。
主人公・蜂須賀(はちすか)と、その仲間たち。
彼らは、バブル経済の“あちら側”の世界に背を向け、「こちら側」で生きることを選んだ。
金を稼ぐこと、成功すること、社会で認められること。
そうした価値観とは真逆のところで、彼らは生き、酒を飲み、語らい、笑い、泣く。
社会の外側で生きる者たちの姿は、決して美化されていない。むしろ、だらしなく、弱く、情けない。
でも、そこにこそリアルがある。
“こちら側”で生きるということ
『迷走王ボーダー』を読むと、ふと考えてしまう。
「働かないことは、悪いことなのか?」
「レールから外れたら、もうダメなのか?」
蜂須賀たちの姿は、今を生きる僕たちにも問いかけてくる。
- 働けない日があってもいいじゃないか。
- 迷って、逃げて、立ち止まってもいいじゃないか。
- それでも生きていることに意味があるんじゃないか。
彼らの「迷走」は、社会に背を向けた弱者の生き方の物語でもある。
そして、これは**「ダメフリ」的サバイバルの視点**と深くつながっている。
強く生きられないなら、弱いままでもいい。
働けなくても、生きてるだけで十分だ。
心に残る名セリフたち
『迷走王ボーダー』には、心に刺さる言葉がたくさんある。
特に印象的だったのは、このセリフだ。
「俺たちは、あちら側には行けないんだよ。」
社会の勝ち組、レールの上の人たち。
あちら側に行けなかった自分たちを笑い飛ばしながら、それでも生きるために酒を飲み、語り合う彼らの姿に、どこか救われる。
『迷走王ボーダー』が教えてくれること

働かないこと。
社会から外れること。
それは、悪でも、敗北でもない。
むしろ、自分らしく生きるための選択肢の一つだと、この作品は教えてくれる。
経費にはならない。
でも、生きるために必要なもの。
『迷走王ボーダー』は、そんな「生きる糧」となる一冊だ。
もし、今の社会に疲れたなら。
頑張れない夜に、自分を責めそうなときに。
そっとこの漫画を開いてみてほしい。
彼らの不器用な生き様が、きっとあなたを少しだけ救ってくれるから。
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執筆者:ダメフリ
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